Accessには、作成するデータベース全般に関する設定をまとめて行うための、「オプション」というメニューがあります。
しかしながら、オプションのメニューは設定項目が多く多岐に渡っているため、「何を、どうすれば、どうなるのか」というのが分かりにくく、結局はデフォルトのままという方も多いのではないでしょうか。
今回は、Accessのオプションメニューにおける全設定項目の解説として前編をお送りします。

中にはあまり実用性のないものもあるけど、”知っておく”ということが大事だね
なお、説明画像はAccess2024を前提としています
中編はこちらからご覧ください。
オプション設定とは
概要
Accessでは、テーブルやフォーム、レポートの作成といった様々な作業を行います。そのようなAccess操作の中で「もっとこうだったら便利なのに…」「自分にとって使いやすいように設定できたら…」と感じることもあると思います。
Accessユーザがそれぞれ求める要望に沿って、カスタマイズを可能とする機能が「オプション設定」です。
オプション設定では、例えば以下のようなカスタマイズを行うことができます。
- Accessのウィンドウの見た目(タイトルバーの表示など)
- フォームやレポートの動作に関する設定
- 独自のツールバーを作成
- 名前の自動修正機能の有無
- 他のユーザーと同時にデータベースを使用する際の設定
- セキュリティに関する設定
Accessは初期設定のままでも十分便利ですが、オプション設定を見直し、自分にとって最適な状態にカスタマイズすることで、作業効率の向上や、誤操作の防止、セキュリティ設定による安全性の向上など、そのメリットは大きいものがあります。
一方で、実質的に機能していない設定項目もあります。せっかく設定を変えたのに、変化が認識できずアレコレ調べて時間を浪費する、ということがないよう、そういった視点でも全体を把握しておきましょう。
オプション設定の起動方法
オプション設定は、Accessの画面左上にある「ファイル」タブをクリックし、表示されたメニューの一番下にある「オプション」を選択することで開くことができます。

次の項目から、具体的な設定項目を解説していきます。
オプションの設定方法・設定内容
全般

Access全般に関する設定を行うことができるメニューですが、正直言って、Accessにとって「全般」メニューは、あまり実用性は高くありません。
以下の項目で詳しく解説します。
ユーザインターフェイスのオプション
リアルタイムのプレビュー表示機能を有効にする
デフォルトでONになっていますが、Accessの場合はこれがまったく機能していません。
ExcelやWordにも同様の設定項目がありますが、例えばExcelで本オプションをONにした場合、セルに入力した文字にカーソルを置いた状態で、リボンメニューのフォントや文字カラーの選択肢をマウスオーバーすると、セルの文字列もリアルタイムで変化しま(ライブプレビューという機能で、変更後の変化を事前確認できるものです)。
Accessにおいては、ON・OFFを切り替えても、なんの変化もありません。おそらくOfficeソフトの一つとして、メニューの流用を行う中で、設定項目自体は存在しますが、機能が割り当てられていないと思われます。
ボタン名と一緒にショートカットキーを表示する
デフォルトでOFFとなっていますが、こちらも実質的に機能しません。
本設定は、各メニュー横の「アクセスキー」の表示/非表示を切り替えるというものです。
下図赤枠内の表示を制御するイメージです。(サンプル画像はVisual Basic Editor画面のメニュー)

こうした各メニューの横にある(E)とか(U)のことを、「アクセスキー」といい、ALTキーと組み合わせることで、メニューを開いたり、実行することができます。(メニュー名は「ショートカットキー」ですが、実はアクセスキーのことを指しています。ショートカットは隣の「Ctrl+Z」などの部分ですが、こちらの表示/非表示は操作不可です。)
しかし、このようなメニュー形式はOffice2007以降、リボンメニューへと変化していきました。つまり、2007以降のバージョンを使用している場合、「ボタン名と一緒にショートカットキーを表示する」の設定項目をONにしても、特に変化がないということです。(なお、Visual Basic EditorはAccess本体とは別のコンポーネントになるので、オプション設定の効果は及びません。)
ちなみに、2007以降のAccessでもALTキーを押すと、メニューにアクセスキー(各アルファベット部分)が表示され、使用することはできます。(例:「ALT + F」を押すと「ファイル」を選択)

データベースの作成
Accessの新規データベースを作成する際の形式と保存場所等を設定します。
空のデータベースの規定のファイル形式
デフォルトで最新バージョンが選択されていますので、特段のこだわりがなければそのままでOKです。
規定のデータベースフォルダ
ファイル保存先のフォルダのことです。名前を付けて保存を行う際に、ここで設定されたフォルダが表示されますので、保存先が決まっていれば変更しましょう。
新規データベースの並び順序
データベース内の テキスト(文字列)をどのようなルールで並べるかを決める設定です。実際にクエリ等でデータを並び替えた結果、想定と異なる並びになった場合は、このオプションを確認することをお勧めします。
なお、デフォルトでは「日本語-レガシー」となっていますが、日本語だけでもいくつかの種類があります。
項目 | 主な特徴 | ソートの基準 | 使用例・想定用途 |
---|---|---|---|
日本語 – レガシー | Access 2003以前からの互換性を保つ古い並び順 | かな順(五十音順)、濁点・半濁点・大文字小文字などを一部無視する | 日本語データが中心で、古いAccessとの互換を保ちたい場合 |
日本語 | Unicodeベースで「文化的慣習に合った」並び順 | より厳密な文字コード処理。アクセントや濁点の違いも区別 | 国際化やUnicode対応が必要なデータベース |
日本語、部首、画数 | 漢字を部首・画数で並べる。かな・英字は先に来る | 漢字は部首→画数順で処理 | 漢和辞典的な並べ替えが必要なケース(学術用途など) |
日本語 Unicode – レガシー | Unicodeベースだが、古いAccess互換のソートを行う | 「日本語 – レガシー」と似ているが、内部的にはUnicode照合 | Unicode対応しつつ、Accessの古い動作も保ちたい場合 |
ちなみに、説明中に出てくるUnicodeとは「世界中の文字を一つのルールで扱えるようにした文字コードの国際規格」のことです。世界共通の決め事と認識していただければと思います。
また、こちらのオプション項目は既存のデータベースファイルには影響を与えず、あくまで新しいデータベースを作成する際の反映する設定値ですので、ご注意ください。
Microsoft Officeのユーザ設定
ユーザ名/頭文字
こちらも、Accessではほとんど機能しないオプション項目です。
Excelにも同様の設定項目がありますが、Excelの場合はコメント欄の冒頭や、ファイルプロパティ「詳細」の前回保存者欄に設定内容が反映します。

ところが、Accessの場合は確認できる範囲では、どこにも反映されないのです。実質的にあまり意味のない設定項目と思われます。
Officeの背景/Officeのテーマ
こちらはAccessの見た目を変えてくれるオプション項目です。
変化がすぐ目に見えますので、色々試してみてください。なお、「Officeの背景」を変更した場合は、[ファイル]メニューをクリックした際に表示される、画面左上がさりげなく変更されています。

現在のデータベース

現在作成しているデータベースに適用されるオプションの設定を行うメニューです。かなりメニューが充実しており、使用頻度の高いものも多いので、しっかり把握していきましょう。
アプリケーションオプション
アプリケーションタイトル/アイコン
デフォルトでは空欄になっていますが、任意のタイトルとアイコン画像を設定すると、以下の場所等の表記が変更されます。
- 画面上部(メニュー上)の文言が指定したタイトル名称
- Windowsのタスクバー(画面下部)のアプリケーション表示も指定したアイコン、タイトルに変更されます
なお、アイコンに関しては、ico形式のみ(PNGやJPGは不可)対応しています。もし手持ちのPNG画像などがあれば、画像変換サイトなどでico形式に変換してから設定してみましょう。

フォームの表示
通常Accessを起動させると、ナビゲーションウィンドウ(左側)のみが表示される状態となっています。本オプションに任意のフォームを指定することで、Access起動後、任意のフォームを自動的に表示させることができます。
主な使い方としては、メニュー専用のフォーム画面を設定項目として指定すると、Access起動時にフォームが立ち上がり、すぐにAccessツールの使用を開始することができます。業務用ツールとして使ってもらう場合には、必須の設定といえます。
ステータスバーを表示する
Access画面の最下部に表示される「ステータスバー」の表示/非表示を切り替えるオプションです。
ステータスバーとは、名前のとおり、Accessの現在の処理状況や実行中のアクションに対する簡単な説明などを表示してくれます。
デフォルトではON設になっており、ステータスバーは有効です。特段の理由がなければそのままでOKです。
ドキュメントウインドウオプション
テーブルやクエリ、フォームといったオブジェクトの開き方(表示形式)を変更するオプション設定です。
・ウィンドウを重ねて表示する
複数のオブジェクトを開いた場合、それぞれが独立したウィンドウとして重なって表示されます。
Access2007以前は、こちらが標準的な表示形式でした。
複数のオブジェクトを並べて同時に閲覧できるのが特徴。
・タブ付きドキュメント
各オブジェクト(テーブル、クエリ、フォームなど)は、タブ形式で切り替えて表示されます。
Excelのタブ表示に近いイメージ。
デフォルト設定として、通常はこちらの表示形式になっています。

なお、「タブ付きドキュメント」にはさらにオプションとして、「ドキュメントタブを表示する」というチェックボックスがあります。チェックボックスをOFFにするとタブ自体が表示されません。
ショートカットキーを有効にする
こちらはメニュー名そのままの意味ですが、ショートカットキーを有効にするかどうかを設定する項目です。実用範囲は狭いですが、ある重要な役割があるオプションメニューです。
ショートカットキーには、「一般的なWindows共通のショートカット」と「Access独自のショートカット」の2種類があります。例えば、以下のようなものです。
【一般的なWindows共通のショートカット】
・Ctrl+C(コピー)
・Ctrl+V(貼り付け)
・Ctrl+S(保存)
・Ctrl+Z(元に戻す)
【Access独自のショートカット】
・F11(ナビゲーションウインドウの表示/非表示)
・Ctrl+Enter(選択したオブジェクトをデザインビューで開く)
・Ctrl+N(新しいファイルを作成)
・Ctrl+G(VEAエディタを開く)
上記のうち、本オプションメニューが対象とするのは、「Access独自のショートカット」に対してです。
では、本オプションをOFFに設定すれば、Access独自のショートカットがすべて無効になるかといえば、そういうわけではありません。私が検証した範囲では、「F11」や「Ctrl+G」は無効になりますが、「Ctrl+N」などは有効のままです。ただ、この「F11(ナビゲーションウインドウの表示/非表示)」が重要です。
業務用ツールなどを作成して、他のユーザに使用してもらう際、後述する「ナビゲーションウインドウを表示する」をOFFの設定にすることをお勧めしています。ショートカットとして「F11」が有効だと、ユーザがナビゲーションウインドウを開くことが可能となります。これを防止するため、本オプションにより無効にしておく必要があるのです。
適用範囲が狭いオプションですが、データベースを配布して使用してもらう際はOFFに切り替えておきましょう。
閉じるときに最適化する
Accessには「データベースの最適化/修復」という手動実行メニューが元々あります。

ファイルの肥大化や断片化を解消し、パフォーマンスと安定性を向上させる、Accessにとってすごく重要なメンテナンス機能です。
Accessではテーブルのレコードを削除しても、即座にファイルの空き容量が増えるわけではありません。削除したレコード部分は空き領域として存在し続け、ファイルサイズも消費しています。このような状態を「断片化」といい、データベースの肥大化とパフォーマンスの低下へとつながります。最適化を行うことで、これら空き領域を除去しファイルを再構築することで、ファイルサイズの圧縮や高速化を図ります。
つまり、Accessを使い続けていると、ファイルも大きくなり処理も重くなるので、定期的に最適化が必要となりますが、本オプションはその最適化処理を自動的に実行してくれるので、手間いらずということです。デフォルトではOFFになっていますので、必要に応じてONにしましょう。
しかしながら注意点もあります。規模の大きなデータベースになると最適化にも相当の時間を要することに加え、最適化には少なからずファイル破損のリスクもあるため、むやみに実行するのも考え物です。
データの追加や削除が多い場合は、オプションをONにして都度行う。一週間に一度程度の頻度で問題ないければ、手動で行うなど、データベースの用途に基づき、実行回数やタイミングを考慮して設定をしましょう。

なお本オプションは、リンクしたテーブルには影響しません
ファイルを保存するときにファイルのプロパティから個人情報を削除する。
ExcelやWordにも同様のオプション設定があり、こちらをONにすることで、ファイルのプロパティ「詳細」欄に表示される「作成者」や「前回保存者」といった個人情報が空欄(または「不明」)となるものです。外部に提出するファイルの個人名を伏せたい場合などに活用できるものです。
しかしながら、Accessの場合はそもそもファイルのプロパティ「詳細」欄に個人情報的なものが表示されていません。よって、本プロパティをONにしても、特に目立った動作は行われません。

フォーム上のコントロールにWindowsのテーマを使用する
まず、コントロールにWindowsテーマを適用した場合と、そうでない場合の外観の違いを見てみましょう。(コマンドボタンの場)

テーマ適用の方は、外観のカスタマイズが多様で、マウスオーバーすると色が変わるなどモダンなスタイルが特徴です。テーマを使用しない場合は、クラシックでシンプルなボタンとなります。
本来は本オプションをON/OFFすることで、これらを切り替えられるはずですが、実際は本オプションメニューだけでは、Windowsテーマ使用/不使用の切り替えはできません。

こういう設定項目があれば、当然機能するって思うよねぇ…
実際にテーマ使用を切り替えるためには、各コントロールのプロパティにある「テーマの使用」を切り替える必要があります。

オプション設定の状況に応じて、プロパティの初期値が連動すればよいと思いますが、実際は連動していないので、何のためのオプションなのか謎です。
レイアウトビューを有効にする
フォームやレポートに関する「レイアウトビュー」の使用/不使用を切り替えるオプション設定です。切り替え後のメニューは以下のようになります。

レイアウトビューは、実際のデータ表示を見ながらコントロールの配置やサイズ変更が可能な、便利な編集モードなので、デフォルトどおりONのままをお勧めします。
データシートビューでテーブルのデザインを変更できるようにする
「データシートビュー」はテーブルのデータを閲覧するモードですが、本オプションをONにすることで、データシートビューのままで、簡易的なテーブル編集が可能となります。
【可能となるテーブル編集】
- フィールドの挿入
- フィールド名の変更
- フィールドの削除
設定変更により、データシートビューのフィールド名を右クリックしたメニューは、以下のとおり変化します。

完成したデータベースを色んな人に使ってもらう場合、デザイン変更が可能だと変更されてしまうリスクがあるため、作成中はON、データベースリリース時はOFFにするなど、使い分けるといいでしょう。
数値フィールドの文字切れをチェックする
本オプション設定をONにした場合、数値型のフィールドをフォームやレポートに表示した際、コントロール(テキストボックスなど)の表示領域が狭くて数値全体が表示しきれない場合に、「####」のような警告表示に切り替わります。これは、ユーザーが文字切れに気づかずに誤った情報を見てしまうことを防ぐための機能です。
よっぽど見た目を重視する以外を除き、デフォルトどおりONのままでよいでしょう。
Pictureプロパティの保存形式
フォームやレポートに配置する「イメージコントロール」の画像形式に関するオプション設定です。
選択肢が2つあり、それぞれ以下の内容が設定されます。
- 元の画像形式を保存する(デフォルト)
Access2007以降の新しい保存方式。画像が圧縮され、ファイルサイズを小さく抑えることができる。 - すべての画像データをビットマップに変換する
Access 2003以前との互換性を保つための古い保存形式
画像が OLE オブジェクトとして保存されます(ファイルサイズが大きくなる傾向あり)
他のOfficeアプリとの連携で使われていた時代の名残
この設定はあらかじめオプションで指定しておく必要があり、画像挿入後に変更しても影響は反映されません。
基本的には、デフォルト設定のままで問題ありません。
ナビゲーション
ナビゲーションウインドウを表示する
前述「ショートカットキーを有効にする」でも触れましたが、本オプションをOFFにすることでナビゲーションウインドウ(画面右の各オブジェクトが並んでいるタテ型のメニュー)を非表示にすることができます。
データベース開発中はナビゲーションウインドウを使い作業を行いますが、完成したデータベースを他ユーザに配布する際、本オプションをOFFにすることで、余計な改変を回避できます。
また、本オプションは非表示にするだけでなく、「ナビゲーションオプション」により表示内容もカスタマイズできます。通常はテーブル、クエリ、フォームといったオブジェクト別に表示されますが、ナビゲーションウインドウ上部の切り替えにより、作成日や更新日順などにも変更できます。
本オプションメニューのもう一つのポイントはグループ化による表示が設定できることです。これは、オブジェクトを自由に組み合わせて表示できるもので、自分が作業しやすいように工夫できます。
下記サンプル画像は、関連するテーブル、フォーム、レポートを一つのグループとして表示している様子です。

リボンとツールバーのオプション
リボン名
Accessの標準リボンの代わりに、自作のリボンUI(ボタン・タブ・グループなど)を設定することができます。
デフォルトではドロップダウンリストから何も選択できませんが、XML形式で記述した専用のテーブルを作成することで、オプションメニューか選択できるようになります。
自作リボンの具体的な設定方法については、別記事で解説します。
すべてのメニューを表示する/規定のショートカットメニュー
ON/OFFによりそれぞれ以下の動作が設定されます。
【すべてのメニューを表示する】
- ON…Accessの全機能が使える標準リボンが表示されます
- OFF…リボンが制限され、一部のメニューが使えなくなります
【規定のショートカットメニュー】
- ON…右クリックメニューが有効になります
- OFF…右クリックしてもメニューが表示されません
前述「ショートカットキーを有効にする」、「ナビゲーションウインドウを表示する」で触れたように、他ユーザーに業務用ツールとして配布して使ってもらう場合、本オプションはすべてOFFにしましょう。
OFFにすることで、メニュー関係は非表示となるので、ユーザに操作の制限を加えることができます。もちろん、自身で行う設計作業時はONです。
名前の自動修正オプション
フォームやクエリ、レポートなどで使用しているテーブルのフィールド名を変更した際に、それに関連するオブジェクトの参照を自動的に更新する機能で、以下の設定項目があります。
名前の自動修正情報をトラックする
Accessがオブジェクト間の名前の関係(リンク)を内部的に記録・追跡します。そもそも、これがONになっていないと、以下の設定項目が機能しません。(グレーアウトとなり選択できない。)
名前の自動修正を行う
テーブル名やフィールド名の変更に応じて、依存している他のオブジェクト(フォーム、クエリ、レポート等)も自動的に修正されます。(例:テーブルのフィールド名 「所在地」
を「住所」に変更すると、フォームに配置した「所在地」のテキストボックスも自動的に「住所」に更新される。)
ただしVBAのコード内に記述したテーブル名やフィールド名は、自動的に書き換えられないので注意が必要です。あくまで、テーブル、クエリ、フォーム、レポート間の名称に関する修正機能です。
名前の自動修正の変更を記録する
名前の変更履歴をAccessが内部的に記録するオプション設定です。肝心の記録された履歴をどのように確認するかについてですが、ユーザには確認する手段はないようです。
今のところ活用場面が想定できず、ONにすることで内部的な容量を消費する可能性があるため、OFFのままが妥当だと思われます。
フィルタールックアップオプション
テーブルやクエリのデータシートビューなどで、列見出しのドロップダウンから表示される「フィルターリスト(選択リスト)」を有効にするかどうかの設定です。
↓この部分(赤枠部分)を有効化を制御する設定。特にデータ件数が多い場合など、選択肢を表示するだけでも作業負荷がかかり、パフォーマンスの低下につながるので、それを防ぐ目的があります。

ローカルインデックスフィールド
この項目をONにすることで、インデックスが設定されているフィールドに対して、フィルターリストが表示されます。インデックスが設定されているので、検索も高速で行われます。
ローカル非インデックスフィールド
この項目をONにすることで、インデックスが設定されていない通常のフィールドに対して、フィルターリストが表示されます。インデックスが設定されていないので、選択肢の表示も時間がかかるうえで、検索自体も遅い傾向があります。
ODBCフィールド
この項目をONにすることで、ODBC接続された外部DBのフィールドに対して、フィルターリストが表示されます。ネットワーク経由で接続されたデータであるため、場合によってはリスト生成に時間がかかる場合があります。
レコード数が次の値を超えたときはリスト表示しない
上記3つの設定項目に対して、ONにした場合であっても、指定したデータ件数を超えている場合はフィルターリストを表示しない設定です。デフォルトでは「1,000」に設定されています。
WebサービスとSharepointテーブルのキャッシュ
閉じるときにキャッシュをクリアする/キャッシュしない
SharePointと接続している場合のオプション設定です。SharePointリストとリンクしたテーブルに関するローカルキャッシュの扱いを制御します。
キャッシュしておくと、一時的なオフライン操作が可能になったり、レスポインすが早くなる反面、同期タイミング次第では最新情報と一致しない場合もあります。
高速性よりも、リアルタイムでのデータ取得を重視する場合は、設定項目をOFFにしておきます。
データ型のサポートオプション
こちらのデータ型は、Access2013以降に追加された新しいデータ型に対する制御に関するオプション設定です。データ型に関しては、こちらの記事も参考にしてみてください。
ODBCリンク/インポートされたテーブルで大きな数値(BigInt)データ型をサポート
ONにすると、SQLServerとの互換性を高めるために追加された「大きい数値(BigInt)」が使用可能となります。具体的には、SQLServerのテーブルをリンクした際、ONにすることでそのテーブルが有効になりますが、OFFだと、別のデータ型で読み込まれる可能性があります。
ODBCリンク/インポートされたテーブルで拡張日時(DataTime2)データ型をサポート
ONにすると、SQLServerとの互換性を高めるために追加された「拡張された日付/時刻型(Dateime2)」が使用可能となります。
具体的には、SQLServerのテーブルをリンクした際、ONにすることでそのテーブルが有効になりますが、OFFだと、別のデータ型で読み込まれる可能性があります。
まとめ
Accessのオプション設定の全解説として、「全般」及び「現在のデータベース」まで解説を行いました。いくつか重要な設定項目もありつつ、実質的に機能しないものもあることがお分かりいただけたと思います。
中でも有用性が高いと思われる設定項目を改めてピックアップします。
- 新規データベースの並び順序
- アプリケーションタイトル/アイコン
- フォームの表示
- ショートカットキーを有効にする
- 閉じるときに最適化する
- ナビゲーションウインドウを表示する
- すべてのメニューを表示する/規定のショートカットメニュー
ぜひ参考にしてみてください。
中編はこちらの記事をご覧ください。